エピファネイア産駒の血統分析 | 血統表からわかること

〜最強牝馬の父、その血はどこで輝くのか?〜
無敗の三冠牝馬・デアリングタクトを送り出し、一躍注目を集めた種牡馬エピファネイア。
自身も菊花賞・ジャパンカップを制した名馬であり、父シンボリクリスエス×母父スペシャルウィークという重厚な血統構成からは、スケールの大きな中長距離型の印象を受ける人も多いでしょう。
ところが実際の産駒成績を見てみると、「2歳〜3歳の早い時期に完成度の高い馬が多い」「芝1800m前後での好走が目立つ」など、
父のイメージとはやや異なる傾向も浮かび上がってきます。
🏇 エピファネイアの現役時代の成績・概要
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生年:2010年2月11日
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性別:牡馬
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毛色:鹿毛
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調教師:角居勝彦(栗東)
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主戦騎手:福永祐一
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通算成績:14戦6勝(2着3回、3着1回)
🎯 主な勝ち鞍
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菊花賞(G1)(2013年)
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ジャパンカップ(G1)(2014年)
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神戸新聞杯(G2)(2013年)
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ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)(2012年)
➡️ 世代屈指の実力馬であり、長距離・中距離両方でG1を制したオールラウンダー。
特にジャパンカップでは、当時の世界レーティング1位ジャスタウェイらを圧倒し、史上屈指のレコード級圧勝を演じました。
🧬 競走スタイル・特徴
■ スケールの大きなストライドと持続力
エピファネイアの最大の武器は、広いフットワークと底なしのスタミナ。
小回りよりも広く直線が長いコースで、**「ロングスパート型」**の強さを発揮しました。
■ 菊花賞馬ながら「スピードでも勝てる」
本来はスタミナ型と思われていましたが、2014年のジャパンカップでは、スローからの早仕掛けで後続を突き放す圧巻のスピード持続戦を演出。
当時のレースを見たファンからは「最強のエピファネイア」「凱旋門賞に行ってほしかった」という声も多数。
血統から読み取れるもの
5代血統表 エピファネイア
(父 11歳・母 8歳時産駒) 2010年 鹿毛 (安平町)
[Hail to Reason] 9.38% 4 x 5
🧬 父系から読み取れる特徴
■ 父:シンボリクリスエス(Symboli Kris S)
アメリカ生まれのダート血統ながら、日本では天皇賞秋連覇など芝中長距離で活躍した名馬。父Kris S.はRoberto系で、スタミナと重厚なパワーを伝える血統。芝でもダートでもタフなレースを得意とする産駒を多く送り出しています。
母父Tee Kayの父Gold MeridianはSeattle Slew系で、こちらも米国型のスピードと先行力が特徴的。
➡️シンボリクリスエス系は、「持続力に優れた中長距離向きのスタミナ血統」で、芝2000〜2500mが得意距離となるケースが多いです。
🧬 母系から読み取れる特徴
■ 母:シーザリオ(Cesario)
オークス馬であり、アメリカンオークスも制した世界的名牝。芝中距離を中心にトップレベルで活躍。
母父スペシャルウィークは日本ダービー馬で、父サンデーサイレンス譲りの切れ味と成長力を併せ持つ。
母母父Sadler’s Wellsはヨーロッパの大種牡馬で、底力とスタミナを強く伝える血。
➡️サンデーサイレンス×Sadler’s Wellsは、「芝中距離以上での切れ+底力」が武器になる重厚な配合。成長力にも富みます。
🧪 血統総評(距離・馬場・スピードなど)
観点 | 評価コメント |
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距離適性 | 芝2000m〜2400mがベスト。中距離での持続力戦が得意。ダービー向き。 |
馬場適性 | 基本は芝だが、父系の影響でタフな馬場ややや重にも強い。洋芝にも対応可能。 |
スピード | 瞬発力よりもパワー+持続型スピードタイプ。後半の粘り強さが最大の魅力。 |
成熟度 | 3歳クラシック世代で完成度が高く、古馬になっても成長持続。持久力型の成長曲線を描く。 |
配合戦略 | ロベルト系×サンデー系×Sadler’s Wellsという「中距離王道構成」。重賞・クラシック路線に向いた配合。 |