キタサンブラック産駒の傾向分析 | 血統表からわかること

注目の血統、キタサンブラック産駒、その真の強さに迫る!
現役時代にG1を7勝し、「平成の盾男」として一時代を築いた名馬キタサンブラック。
種牡馬入り後もその血は脈々と受け継がれ、2023年にはイクイノックスが世界No.1に輝くなど、すでに種牡馬としても日本競馬の主役級の存在になりつつあります。
では、そんなキタサンブラックの産駒たちは、どんな条件で真価を発揮しているのか?
競馬ファンであれば誰もが気になるその勝ちパターンを、血統表から読み解いていきます。
血統から読み取れるもの
5代血統表 キタサンブラック
(父 11歳・母 7歳時産駒) 2012年 鹿毛 (日高町)
[Lyphard] 12.50% 4 x 4
[Northern Dancer] 9.38% 5 x 5+5
[Goofed] 6.25% 5 x 5
🧬 父系から読み取れる特徴
■ 父:ブラックタイド(Black Tide)
ディープインパクトの全兄であり、父サンデーサイレンス×母ウインドインハーヘアの黄金配合。
ディープほどのスピード・瞬発力はないが、スタミナと持続力、しぶとさに優れた産駒を多く輩出。
母父Alzaoは欧州リファール系。日本ではスタミナと底力を補う存在として重宝され、特に長距離や芝のタフな条件に強い血。
母母Burghclereは英オークス馬の娘で、名牝系出身。
➡️ブラックタイド系は「スタミナ×持続力型」。2400m以上の長距離戦に強く、芝の消耗戦に対応するタフな脚を受け継ぐ。
🧬 母系から読み取れる特徴
■ 母:シュガーハート(Sugar Heart)
母父サクラバクシンオーは短距離の日本チャンピオンスプリンター。産駒にはスピードとパワーを伝え、先行力と勝負根性にも優れる。
母母オトメゴコロの父ジャッジアンジェルーチは米国系のパワー血統で、スピード・持続力・先行力を底支え。
さらにLyphardやNorthern Dancerのクロスもあり、芝適性と競走馬としての完成度を高める役割も。
➡️サクラバクシンオーの短距離血統にブラックタイドのスタミナ型を掛け合わせたことで、パワーとスタミナのバランスが秀逸に。
🧪 血統総評(距離・馬場・スピードなど)
観点 | 評価コメント |
---|---|
距離適性 | 芝2000〜3200m。とくに長距離の天皇賞春、菊花賞などで真価を発揮。中距離もこなせる万能型。 |
馬場適性 | 芝が主戦場。良馬場でのスピード持続に強く、重馬場・不良馬場では若干パフォーマンスが下がる傾向。 |
スピード | 派手な瞬発力ではなく、先行〜中団からロングスパートで押し切る「持続型スピード」が武器。 |
成熟度 | 比較的晩成型。3歳後半以降に本格化し、4歳〜5歳で完成期に到達。長く活躍できる傾向が強い。 |
配合戦略 | ブラックタイド×サクラバクシンオーは日本では珍しい「スタミナ×短距離」の絶妙なミックス配合。持続戦に強い血統。 |
キタサンブラック産駒は、父譲りの「先行から押し切るスタミナ型」+母系から「勝負根性とスピード」が加わり、競走馬として極めて完成度が高いのが特徴です。