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モーリス産駒の血統分析 | 血統表からわかること

〜中距離の覇者が伝えるスピードと持続力〜

“世界のマイル王”として国内外のG1を制し、引退後は種牡馬としても注目を集めるモーリス。

香港カップ、安田記念、マイルCSなどを制したその圧倒的なスピードとパワーは、競馬ファンの記憶に強く刻まれています。

そんなモーリス産駒は、デビュー当初こそ“晩成型”と見られていましたが、近年では2歳戦からの活躍馬も増え、短距離〜中距離の芝路線を中心に着実に存在感を高めています。

父系にサンデー系を持たず、ロベルト系×ノーザンダンサー系という独自の配合背景から、“他の主流血統とは一味違う”成長曲線や走りの個性が際立ちます。

血統から読み取れるもの

5代血統表 モーリス

(父 7歳・母 10歳時産駒) 2011年 鹿毛 (日高町)

[Northern Dancer]   15.63% 5+5 x 4+5
[Hail to Reason]   6.25% 5+5 (父方)

🧬 父系から読み取れる特徴

■ 父:スクリーンヒーロー(Screen Hero)

ジャパンカップを制した実力馬で、芝2000〜2400mにおける底力を伝える種牡馬。
父グラスワンダーは有馬記念2勝馬で、早熟性とともに、米国的スピードと欧州的スタミナのバランスを併せ持つ名血。

その上にいるSilver HawkはRoberto直系で、パワーと持続力、そして成長力を伝えるタイプ。
母父ダイナアクトレスは日本を代表する名牝のひとつで、母系の底力も十分。

➡️スクリーンヒーローのラインは、仕上がり早めでありながらも古馬になってからの成長力が大きく、「中距離〜マイルにおける持続力勝負」に強さを発揮します。


🧬 母系から読み取れる特徴

■ 母:メジロフランシス

父カーネギーは凱旋門賞馬で、Sadler’s Wells直系の欧州スタミナ型血統。
母母メジロモントレーはメジロ牧場の良血牝系で、ステイヤー気質の中に気性の難しさもあるが、底力豊か。

さらに祖母Detroitは凱旋門賞馬で、欧州の最高峰レベルのスタミナを持つ。
母系に流れるLyphardやRivermanといったヨーロッパの名血が、芝の中〜長距離戦においてしぶとさ・粘り強さを伝えている。

➡️母系は「欧州スタミナ × 日本の名牝系」という構成で、距離延長やタフな流れに強く、成長力・精神力に優れた馬を出しやすい。


🧪 血統総評(距離・馬場・スピードなど)

観点 評価コメント
距離適性 ベストは1600〜2000m。スピードを持ちながら、持続的なラップでも踏ん張れる中距離型。
馬場適性 芝向き。良馬場が理想だが、パワーとスタミナに優れ、多少の道悪もこなせるオールラウンダー。
スピード トップスピードも高いが、特に「長くいい脚」が持ち味。単発というよりじわじわ伸び続ける強さ。
成熟度 3歳秋〜古馬にかけて成長。早熟よりは晩成型。4歳以降に本格化する産駒が多い。
配合戦略 父スクリーンヒーロー、母父カーネギーという「持続型 × スタミナ型」の組み合わせ。芝1800〜2000mを中心に、気性をカバーするような牝系との配合が望ましい。

📌 モーリス産駒は「マイル〜中距離」「芝の持続戦」「古馬戦線」での活躍が目立ち、特に長く脚を使えるタイプが多いのが特徴です。
モーリス自身のように3歳後半〜4歳以降での本格化が多いため、早期には見限らず、長い目で見て活躍が期待できる血統です。