ラップ分析入門:数字でレースの流れを読む予想法

競馬の予想といえば「血統」「騎手」「調教師」など、さまざまな視点がありますが、もうひとつ忘れてはいけないのが 「ラップ」 です。
ラップとは、レースを1ハロン(200m)ごとに区切った区間タイムのこと。レースが「どんな流れ」で進んだかを数字で表すものです。
ラップを見ると何が分かる?
ラップ分析を使うと、レースの「展開の有利不利」が見えてきます。
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スローペース(ゆったり流れる)
→ 前が止まらない!逃げ・先行馬が恵まれやすく、差し・追込は「脚を余した…」となることが多い。 -
ハイペース(序盤から速い)
→ 前半に飛ばした馬がスタミナを消耗して「前崩れ」。差し・追込に展開が向く。 -
平均ペース(イーブン)
→ 能力の総合力勝負。「位置取りが全て」となるケースも多く、展開利を得た馬が押し切ることもある。
どういう状況が「スロー」や「ハイ」なのか?
ラップの判断は 1ハロンごとのタイム で見るのが基本です。
芝の良馬場では 1ハロン=おおよそ12秒前後 が基準になります。
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12秒前後が平均的な流れ
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11秒台が続くと速い流れ(ハイラップ)
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13秒台に近いラップが続くと緩んだ流れ(スローラップ)
👉 つまり、
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前半からスローラップが続くと → スローペース。逃げ・先行が楽をして、差し・追込は届かず「脚を余す」。
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前半からハイラップが続くと → ハイペース。先行勢がスタミナを消耗して「前崩れ」。差し・追込に展開が向く。
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12秒前後で揃えば → イーブンペース。能力の地力勝負。「位置取りが全て」となることも多い。
例:スローペース
👉 前半が遅く、後半に速いラップが出る → 直線瞬発力勝負。
「前が止まらない」展開で逃げ・先行有利。差しは「脚を余した…」となりやすい。
例:ハイペース
11.9 – 11.8 – 11.7 – 12.3 – 12.8 – 13.0
👉 前半から11秒台で飛ばし、後半は13秒台に落ちる → スタミナ勝負の消耗戦。
「前崩れ」となり、差し・追込に展開が向く。
例:イーブンペース
12.1 – 12.0 – 12.2 – 12.1 – 12.0 – 12.2
👉 ほぼ12秒前後で揃った流れ → 地力勝負。
「位置取りが全て」となり、強い馬がそのまま勝ちやすい。
馬の「タイプ」とラップ・脚質の相性
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瞬発力型の馬
→ 後傾ラップ(スローからの直線勝負)に強い。ただし後方すぎると「届かず脚を余す」。 -
持久力型の馬
→ 前傾ラップ(ハイペースの消耗戦)に強く、先行して粘り込む。 -
万能型の馬
→ イーブンペースに対応。「展開が向けばどこからでも勝負になる」。
ラップと脚質の関係まとめ
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逃げ馬
スローなら「展開利を得て」残りやすい。ハイペースでは「前崩れ」のリスク大。 -
先行馬
スロー~平均ペースで安定。「位置取りが全て」となる展開も多い。ハイペースではスタミナ勝負に。 -
差し馬
スローでは「脚を余して届かず」。ハイペースなら「展開が向けば」一気に突き抜ける。 -
追込馬
極端なハイペースでのみ浮上。「前崩れ」を待つ展開待ちタイプ。
ラップ分析の活かし方(簡単ステップ)
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過去のレースの1ハロンごとのラップを確認
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コースや距離ごとの「平均ペース」と比較
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出走馬がどんな流れで好走してきたかを照合
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「展開と脚質が噛み合う馬」を狙う
もっと詳しく知りたい方へ
ここではラップと脚質の基本だけを紹介しました。
「前傾ラップ」「後傾ラップ」「イーブンペース」といった理論や、実際のデータを使った応用編は下記ページで詳しく解説しています。
ここまででラップ分析の基本を紹介しました。
次は、ラップを 3つの典型パターン(前傾・後傾・イーブン) に分けて整理してみましょう。
👉 ラップパターン解説はこちら
ラップ理論
- ラップパターン解説:前傾・後傾・イーブンを理解しよう
- ラップ理論徹底解説:展開と適性を数字で裏付ける
- ペース別・脚質有利不利!ハイペースは差し馬天国?スローは先行天国?
- 展開シミュレーション実戦編:脚質構成でレースはどう変わる?