フェブラリーステークスへと続く重要な前哨戦、根岸ステークス。 その舞台裏では、凍てつくような冬の朝、各陣営の熱い想いが交錯する根岸ステークスの調教が繰り広げられています。 データだけでは語り尽くせない、馬と人の研鑽の記録。 そこには、過去の名馬たちが紡いできた歴史と同じように、新たなドラマの胎動が確かに存在します。今回は、数字の向こう側にある陣営の「意図」に焦点を当て、調教という側面からレースを深掘りしていきます。 根岸ステークス 調教を単なる数字だけで見てしまう前に整理したいポイント 一般的に、最終追い切りの時計が速ければ「好調」、遅ければ「不安」と捉えられがちです。 一見して派手な時計を出した馬に注目が集まる傾向にあります。しかし、今回に限って言えば、その単純な図式が当てはまるとは限りません。 レポートから見えてくるのは、「1週前追い切り」と「最終追い切り」のコントラストです。 例えば、ある馬は1週前に猛時計を出し、最終は輸送を考慮して意図的に軽めに仕上げています。また別の馬は、1週前の鈍重な動きから、最終で一変した力強い姿を見せています。 単なる「点」としての時計ではなく、「線」としての調整過程として評価されるべきでしょう。数字の裏にある陣営の緻密な計算や、馬自身の変化を読み取ることこそが、真の勝者を見極める鍵となるはずです。 根岸ステークス 調教について エンペラーワケア : 最終は1/28栗東坂路で4F56.0-1F12.3と軽め。これは輸送を考慮したもので、1週前には坂路4F50.0-1F12.0という同日1番時計の猛時計をマークしており、計画的な調整過程と言えます。 インユアパレス : 最終は1/28栗東坂路で4F52.6-1F11.7を馬なりでマーク。1週前に見られた鈍重さが解消され、力強い脚取りでラストの伸びも上々。明らかな良化を示しています。 ウェイワードアクト : 最終は調整程度の軽めでしたが、1週前には南Wで6F77.3秒の自己ベストを更新。併せ馬で抑えきれないほどの推進力を見せており、充実ぶりをうかがわせます。 オメガギネス : 最終追い切りで鋭く反応し、ラスト1F11.7秒をマーク。久々を感じさせない臨戦態勢が整っています。 ダノンフィーゴ : 最終は坂路でキビキビとした動きを見せ、54秒4をマーク。順調な仕上がりです。 今回の事象から見えてくる根岸ステークス 調教の注意点と次の見方 ・ 視点の再構築 : 「最終追い切りが軽い=不安」というステレオタイプな見方は危険です。エンペラーワケアやウェイワードアクトのように、1週前に強い負荷をかけ、直前は整えることに主眼を置いた「意図的な軽め」である可能性を考慮すべきです。逆に、最終でインユアパレスのように急上昇した馬は、その勢いが本番でどう爆発するかが見どころとなります。 ・ 未来への視点 : この根岸ステークス の調教で見せた各馬のパフォーマンスが、目前のレースだけでなく、その先の大舞台フェブラリーステークスへとどう繋がっていくのか、点ではなく線で捉え続けることが重要です。 補足: 1週前追い切り とは、レースの約1週間前に行われる、強い負荷をかけることを目的とした調教のこと。ここでしっかりと時計を出すことで、心肺機能を高め、レースに向けた体を作ります。 輸送競馬 とは、所属するトレーニングセンター(栗東や美浦)から遠く離れた競馬場へ移動してレースを行うこと。長時間の移動による疲労やストレスを考慮し、直前の調教を軽めに控えるケースが多く見られます。