東京競馬場メインレース、根岸ステークス(GIII・ダ1400m)。 良馬場の発表ながら、特殊なパサパサとした馬場コンディション が、各馬のスタミナとパワーを試す舞台となった。 この過酷な消耗戦を制したのは、6番人気の伏兵ロードフォンスだった。 勝ちタイムは1分23秒3。ゴール前、鮮やかに突き抜けたその姿は、まさに陣営が信じ続けた才能が開花した瞬間だった。 解き放たれた才能、「爆発力」の証明 「力があるのはずっと知っていましたが、思うようにいかないところも多々ありました」。 レース後、そう振り返ったのは鞍上の横山和生騎手だ。 これまで幾度となくコンビを組み、そのポテンシャルを感じながらも、歯がゆい結果に終わることもあった。しかし、この日は違った。 勝因について横山騎手は、「きょうは厩舎が素晴らしい状態で持ってきてくれたので馬を信じて、いい競馬だったと思います」と、まずは最高の仕上げを施した厩舎スタッフへの感謝を口にした。 そして、「乗り難しいところもたくさんありますが、爆発力は素晴らしいモノがあります」と、パートナーの最大の武器を強調。 「その爆発力を生かすためにいかに馬とリズム良く、というところで、きょうはうまくエスコートできましたね」 と、人馬の呼吸が完璧に噛み合った会心の勝利であることを誇らしげに語った。 それぞれのドラマ、砂に消えた野望たち 一方で、人気を集めた有力馬たちは苦杯を嘗めた。 1番人気に推されたエンペラーワケアは6着に敗退。西村淳也騎手は「いいスタートでした。 あの子の能力なら、普通なら勝つんですけどね。本来の状態ではなかったのかもしれません」と、首をかしげた。 フェブラリーSを視野に入れていたオメガギネスも4着まで。 岩田康誠騎手は「枠順を生かして位置を取りに行ったぶん、少し掛かってしまった」と悔しさをにじませた。 初ダート挑戦となったマピュース(5着)の田辺裕信騎手も「位置を取りに行った分、かかりました」とコメント。 「特殊なパサパサの馬場で差し込むのが難しいなかで、よく差を詰めてくれました」と馬の健闘を称えつつも、ダート適性への戸惑いものぞかせた。 「和生マジック」と「東京の魔物」 レース後、SNS上ではロードフォンスの勝利を称える声とともに、横山和生騎手の手腕に注目が集まった。 先週の東海Sに続く2週連続でのダート重賞制覇という離れ業に、「和生マジック」「ダートの和生」といった称賛の言葉が並んだ。 また、13番人気の低評価を覆して2着に激走したバトルクライの存在も、ファンに大きな衝撃を与えた。 「人気馬が飛んだ東京マジック」「穴馬の差しが決まった」など、波乱の結果に驚きの声が続出。 一筋縄ではいかないダート戦の難しさを改めて痛感し、推し馬の好走に一喜一憂するファンの熱気は、レース後も長く続いていた。 厩舎の仕上げ、騎手の好騎乗、そして馬自身の「爆発力」。全ての要素が完璧に噛み合い、砂塵の彼方へ突き抜けたロードフォンス。 その勝利は、信じ続けることの大切さを改めて教えてくれるような、ドラマチックな一戦となった。