【2026年きさらぎ賞】「一週前追い切り」で見えた景色

投稿: 2026年02月04日 13:20最終更新: 2026年02月04日 13:20...

クラシック戦線へと続く重要な分岐点、きさらぎ賞。

その本番を翌週に控えたトレーニングセンターでは、各陣営の思惑が交錯する熱気ある時間が流れていました。

まだ冷たい冬の空気の中で行われる「一週前追い切り」は、サラブレッドたちが春の主役へと名乗りを上げるための、力強い胎動のようなものです。

完成された最終調整とは異なり、負荷をかけつつ現状の課題や成長度合いを確かめるこのプロセスには、単なる時計だけでは語り尽くせない、馬と人のドラマが凝縮されています。

きさらぎ賞追い切りを単なる数字だけで見てしまう前に整理したいポイント

一般的に、追い切り時計は速ければ速いほど調子が良いと受け取られがちです。

しかし、今回に限って言えば、その「一般的な見方」を少し脇に置いておく必要があるかもしれません。

時計の良し悪しだけではない、各馬の「現在地」に対する微かな違和感や、陣営が意図する可能性の萌芽です。

例えば、全体時計が遅くても、ラストの伸びが際立っていればそれは成長の証かもしれませんし、逆に時計が出ていても、併走馬との関係性や騎手の感触が芳しくなければ、額面通りには受け取れません。

春の大舞台を見据えたこの時期だからこそ、数字の裏にある意図を読み解く視点が不可欠なのです。

きさらぎ賞出走予定馬について(一週前追い切り)

  • コレオシークエンス(栗東CW): 1月29日、良馬場で浜中俊騎手を背に馬なり調整。6ハロン83.9秒、ラスト1ハロン11.0秒をマーク。古馬3勝クラスのハギノアルデバランの内から追走し、最後は0.2秒遅れていた状態から0.5秒先着するという鋭い伸びを見せました。
  • エムズビギン(栗東CW): 1月28日または29日頃、良馬場で気合をつけた調整。7ハロン99.5秒という長めから入り、ラスト1ハロンは10.9秒(または同入)という猛時計。ヨーホーレイクら実力馬との3頭併せで互角以上の動きを見せ、その高額馬らしいポテンシャルを示唆しています。
  • ゾロアストロ(美浦W): 1月29日、良馬場で強めの調整。6ハロン81.4秒、ラスト1ハロン11.4秒。併走馬にきっちりと先着を果たし、宮田調教師からも「いい追い切り」とのコメントが出ています。
  • ゴーイントゥスカイ(栗東CW): 1月28日、良馬場で稍一杯に追われ、7ハロン98.6秒、ラスト11.4秒。大きく先行していた併走馬を捕らえて先着しました。
  • ショウナンガルフ(栗東CW): 1月28日、良馬場で一杯に追われるも、ラストは11.2秒で併走馬に遅れをとる形となりました。
  • ローベルクランツ(栗東CW): 1月28日、良馬場で馬なり調整。前走時と比較して全体時計、ラストの時計ともに数字を落としており、調整過程に注目が集まっています。

今回の事象から見えてくるきさらぎ賞の注意点と次の見方

・視点の再構築

SNS上では、コレオシークエンスのラスト11.0秒という数字に対して、前走からの短縮を評価する声がある一方、「新馬戦のレベルが低かったため過大評価は禁物」という冷静な見方も存在します。

また、エムズビギンはその圧巻の時計に対し、「時計が出ている割には幼さが残る」という指摘や、初となる輸送への不安視も囁かれています。

ローベルクランツの時計落ちについても、デキ落ちなのか、それとも意図的なセーブなのか、解釈が分かれるところです。

これらの評価を鵜呑みにせず、「なぜその時計になったのか」という背景を、最終追い切りと合わせて判断する必要があります。

・未来への視点

一週前追い切りで見えた各馬の「負荷に対する反応」が、本番直前の最終調整でどのように変化・結実するのか、その「変化の度合い」こそが、きさらぎ賞を読み解く最大の鍵となるでしょう。

補足:関連用語解説

  • 一週前追い切り:レースの約1週間前に行われる、比較的強い負荷をかけた調教のこと。当週の最終追い切り(直前追い切り)とセットで、馬の仕上がり具合を判断する重要な材料となります。
  • 併せ馬(あわせうま):2頭以上で並んで走らせる調教方法。実戦に近い形式で、馬の闘争心を掻き立てたり、ペース配分を学ばせたりする目的で行われます。