14戦無敗、世界最強の称号をほしいままにした「怪物」フランケル。 その血が日本に上陸した際、多くのファンは欧州の重厚なパワーを想像しました。 しかし、ソウルスターリングが阪神JFを制したあの日から、私たちの目の前で繰り広げられたのは、驚くほど日本の高速馬場に適応する「切れ味」と「スピード」の物語でした。 単なる輸入種牡馬の一頭としてではなく、日本競馬のスピード化をさらに加速させる触媒としての価値が、今改めて問われています。 フランケル産駒のポイント 一般的な見方とは少し違って 、フランケル産駒を「欧州の重い血」と括ってしまうのは、現代の日本競馬においては危うい解釈と言えるでしょう。 「パワーが必要なタフな展開に強い」と思われがちですが、実際にJRAで結果を出しているのは、淀みのないペースでスピードを持続させる芝のマイルから2000mの条件です。 欧州的な底力はもちろん備えていますが、それ以上に「スピードの絶対値」で押し切ってしまうのが、日本におけるフランケル産駒の真の姿です。 フランケル産駒に主要データ 基本情報: 父Frankel、母の父にはデインヒルやキングマンボ系など、スピードを補完する血統との配合で日本での成功が目立つ。 直近の実績: ソウルスターリング(オークス)、モズアスコット(安田記念・フェブラリーS)、グレナディアガーズ(朝日杯FS)など、G1馬を複数輩出。 最新状況: 近年はブルードメアサイアー(母の父)としての存在感も増しており、そのスピード遺伝子は次世代へと確実に受け継がれている。 1. 距離適性:マイル〜2000mが「黄金ゾーン」 欧州のスタミナ血統であるガリレオ(Galileo)の直仔ですが、フランケル自身がマイルで無敵だったこともあり、産駒も 芝1600m〜2000m で高い適性を示します。 マイル適性: 非常に高いスピードを持続させる能力に長けており、日本の高速決着にも対応します。 距離の融通: 2400mのダービーを勝つ馬(アダイヤーなど)も出ますが、基本的にはマイルから中距離で爆発的なパフォーマンスを見せる傾向があります。 2. 馬場適性:パワーを要する芝や重馬場に強い 欧州特有の重い芝で真価を発揮する血統であるため、日本の馬場でも以下のような傾向が見られます。 上がりのかかる馬場: スピードの持続力が武器なので、瞬発力勝負よりも タフな展開や時計のかかる馬場 を得意とします。 道悪(重・不良): 洋芝や雨で渋った馬場は、他の日本血統が苦戦する中で相対的にパフォーマンスを上げることが多いです。 3. 気性と成長力:前向きさと早熟性 フランケル産駒を語る上で欠かせないのが、その「気性」と「成長の早さ」です。 前向きすぎる気性: かなり勝負根性が強く、悪く言えば「行きたがる(掛かる)」馬も多いです。そのため、1200m〜1400mの短距離で活躍する産駒(モズアスコット、グレナディアガーズなど)も出現します。 2歳戦からの完成度: 仕上がりが早く、2歳G1から活躍できる即戦力タイプが多いのが特徴です。それでいて古馬になっても衰えず、成長し続けるタフさも持ち合わせています。 日本での主なG1勝ち馬 日本国内でも、異なるカテゴリーで成功を収めているのがこの血統の恐ろしいところです。 馬名 主な勝鞍 特徴 ソウルスターリング 阪神JF、オークス フランケル初年度産駒。高い完成度で女王に。 モズアスコット 安田記念、フェブラリーS 芝・ダート両方のG1を制覇。驚異のパワー。 グレナディアガーズ 朝日杯FS 阪神1600mでレコード勝ち。スピード特化型。 アスクビクターモア 菊花賞 スタミナと持続力。中山・阪神の内回りも得意。 分析のポイント 「パワー型」の認識: 軽い芝の瞬発力勝負(スローからの上がり33秒台前半など)では、サンデーサイレンス系に屈することがあります。逆に**「持続力」や「タフさ」**が問われる展開なら信頼度が上がります。 牝馬の活躍: 日本ではソウルスターリングを筆頭に、牝馬の活躍が目立つのも一つの特徴です。