春の牝馬マイル王決定戦、ヴィクトリアマイルへの最重要ステップとされる 2026年阪神牝馬ステークス (G2、芝1600m)がいよいよ開催されます。今年は例年以上に豪華なメンバーが集結し、出走頭数こそ10頭と少なめですが、G1馬3頭が顔を揃えるハイレベルな一戦となりました。 このレースの最大の注目点は、各有力馬が本番を見据えてどのような仕上げを施してきたかという点にあります。休み明けの実力馬から、勢いに乗る上がり馬まで、追い切りでの動きは馬券検討において欠かせない重要なファクターです。特に今回は海外帰りや長期休養明けの馬も含まれており、調整過程を丁寧に読み解く必要があります。 追い切りが行われた東西のトレセンからは、各馬の順調な仕上がりを伝える報告が続々と届いています。特に上位人気が予想される馬たちは、単なる「叩き台」以上の気配を見せており、当日への期待を抱かせる内容です。ここでは、追い切りの時計や動き、そして陣営から発せられた言葉をもとに、全有力馬の最新状態を詳しく解説していきます。 エンブロイダリーは香港帰りも盤石!栗東滞在で万全の構え まず注目したいのは、昨年の香港マイル以来の出走となる エンブロイダリー です。ルメール騎手とのコンビで注目を集める同馬は、今回も秋華賞時と同様の 「美浦で1週前追い切りを行い、その後栗東へ移動して最終調整」 という勝負パターンを選択してきました。 美浦のウッドチップコースで行われた1週前追い切りでは、6F 82.5-11.7という好時計をマーク。3頭併せの最後方から追走し、向かい風をものともせずに突き抜ける迫力満点の走りを披露しました。森一調教師は「しっかりと負荷をかけられた。古馬らしい体になってきた」と、その成長ぶりに手応えを感じているようです。 そして8日、栗東の坂路で行われた最終追い切りでは、4F 52.1-37.7-12.6を計時。時計以上に力強い脚さばきが目立ち、海外遠征の疲れを微塵も感じさせない動きを見せました。1週前評価では多くの専門家が S級 の推進力と評価しており、1番人気の期待に応えるだけの準備は整っていると見ていいでしょう。 復権を誓うアスコリピチェーノと本格化カムニャックの気配 マイルCS7着からの巻き返しを狙う アスコリピチェーノ も、極めて順調な仕上がりを見せています。最終追い切りは坂井瑠星騎手が騎乗し、栗東のCWコースで6F 85.3-11.5をマークしました。ゆったりとしたスタートから徐々に加速し、ゴール前での反応は非常に軽快。黒岩調教師も「前走時(マイルCS)よりも印象はいい」とコメントしており、復調の兆しは明らかです。 一方、秋華賞以来の始動戦となる カムニャック は、友道康夫調教師が「ここからヴィクトリアマイルへ」という明確なプランを掲げています。最終追い切りは栗東の坂路で単走、4F 53.8-12.5を記録しました。グイグイと前に出る推進力は圧巻で、1週前時点でも A級 の評価を得ていたように、上積みは相当なものがありそうです。 「当日も落ち着いた状態で臨めれば」と陣営が語るように、課題は当日のテンションにありそうですが、少なくとも追い切りの動きからは能力を全開に出せる状態にあると判断できます。川田将雅騎手を背に、どのようなパフォーマンスを見せるのか注目が集まります。 虎視眈々と逆転を狙うラヴァンダとその他の伏兵たち 上位3頭の牙城を崩す一番手として挙げられるのが ラヴァンダ です。東京新聞杯2着の実績がある同馬は、1週前の追い切りで S級 という極めて高い評価を得ていました。最終追い切りも栗東の坂路で4F 53.6-12.0と、余裕を残しながらも終いの鋭さが際立つ内容。中村調教師が「余力残しでちょうどいい。何も心配はない」と自信を見せている点は見逃せません。 他にも見どころのある馬は存在します。以下の馬たちの動きも馬券のヒントになるはずです。 カピリナ :1週前から好時計をマークしており、動きに余裕がある点からA評価。当日のパドックでの気配次第では面白い存在になります。 ビップデイジー :松下調教師が「スッと反応できて良かった」と語る通り、坂路でパワフルな動き。B評価ながら安定したデキです。 クランフォード・ルージュソリテール :ともにB評価が多く、派手さはないものの、自分の力は出し切れる状態に仕上がっています。 一方で、 カナテープ や エポックヴィーナス については、追い切りでの遅れが目立ったり、調整程度の軽い内容だったりと、上位陣と比較するとやや強調材料に欠ける印象(C評価寄り)です。現時点でのデキの差が、本番の直線での粘りに関係してくるかもしれません。 2026年阪神牝馬ステークス追い切りまとめと最終ジャッジの視点 今回の 2026年阪神牝馬ステークス に向けた 追い切り を総括すると、 エンブロイダリー 、 ラヴァンダ 、 アスコリピチェーノ 、 カムニャック の4頭が、抜けた仕上がりを見せていると言えます。特に1週前と最終追い切りで共に高い評価を得ているエンブロイダリーとラヴァンダの気配は、馬券を検討する上で外せません。 ただし、多くの陣営がコメントしている通り、このレースはあくまで「ヴィクトリアマイルを見据えた一戦」です。最終追い切りで余力を残している馬が多いため、当日の馬体重や、久々の実戦でパドックにおいてどれだけ落ち着いているかが、最終的な勝負を分けるポイントとなるでしょう。 少頭数ながら、G1級の末脚を持つ馬たちが揃った今年の阪神牝馬ステークス。追い切り評価でS級やA級を付けられた有力馬たちが、どのようなラップを刻み、どのような瞬発力を見せるのか。ヴィクトリアマイルの覇権を占う意味でも、当日のパドックまで目が離せない一戦となりそうです。